スイスでは、そしてクォーツが出来るまでの日本でもそうでしたが、本来正しき時計屋とは修理が出来なくてイケマセン。
「修理出来るんですか?」と云われることがありますが、ただ普通の基準が変わってしまっただけなのです。そういう我々は現代では異常と呼ばれるのかもしれませんが、ある意味。
当店が機械式専門店となった経緯においても、記念に買った思い出の時計が直らない、というクォーツのジレンマが決断を下させました。本来、キチッと物つくりをし、大切に扱い、壊れれば直し、想いと共に受け継がれてゆく。そういうコトだと考えます。今流行りのエコで云うなら、これがホントのエコだとも。
実際に店頭で20代の方が古い機械式の時計を手に、「おじいちゃんに貰った時計なんですけど直りますか?」と足を運んでくれることがあります。
「これ古いね。直したら自分で使うの?」と聞くと、「ハイ。普段は防水の安いクォーツ着けてるけど、これはおじいちゃんに貰った時計なので大切にしたいんです。」と、こんな会話が現代でも実際にあります。 ・・・だから、ヤメラレマセン。
そう語る店主。
「修理の注文は全国から来ますよ。すごく多い。」と、スタッフも舌を巻いています。
実際、機械時計を扱っているお店は、そんなに多くはない。ましてや、修理ともなると、受けてくれるお店を探すのも一苦労です。
そんなご時世の中、林時計鋪は、機械式時計を持つ人の“困った時の林時計鋪”になりつつあるのではないかと…密かに思っている筆者でした。
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店内には昔ながらのお宝がいっぱいです。 時計のみならず、小さな灰皿や置物にまで目がいってしまう。 初めて来店された方は、きっと良い意味で戸惑いを隠せないであろうこの不思議な空間は、古き良いものを大切にしている林時計鋪ならではのものではないでしょうか。 店内写真 そして、その独特のレトロ感が、林時計鋪ご自慢の時計達をいっそう引き立てているのです。 “本物”というのは、実に気高く、自信に満ち溢れ、魅惑的です。ショーケースの中、無造作に並べられた時計達が、それぞれに「自分こそが一番美しい」「早くあなたの腕に自分を巻いてみて」と…我々を魅了します。
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